大工舎 青森県あおもり産木造住宅コンテスト連続優秀賞受賞

コンテスト

大工舎で作った家が、青森県が主催する「あおもり産木造住宅コンテスト」で連続受賞致しました。
2022年、2020年は最優秀賞を受賞しました。
コンテストについての詳細はこちらをご覧ください。

第15回コンテスト最優秀賞

「桜の家」

その家を思うときは、桜の花を思い浮かべます。家の周りを桜の樹が囲んでいること、そして基礎工事の前年に敷地の真ん中にあった桜を、移植した玄関前で今年も花を付けたこと。

小高い小田の森を背に建てた住宅は、濃い色に塗装した杉板と白い塗り壁の外壁のコントラストが五月の空に映えます。

ご夫婦は伝統的な建て方の住宅が希望で、私どもに依頼されました。

欅の大黒柱、栗の土台とウッドデッキ、赤松の太鼓梁、無垢材の床板・天井板、真壁で漆喰塗。

大口径の松梁や大黒柱と対峙するとき、大工は覚悟を持たないと材料の大きさに吞まれてしまいます。自然に対しての畏怖の念を忘れないことで、木材の命を活かしてゆく建物になると信じています。

職業柄、数多くの新築住宅を見る機会のあるご主人から期待されることは、大変な誇りと同時にプレッシャーにもなりましたが、ご夫婦の思い描いた暮らしを、一つ一つ形にできたと思います。

pdfはこちら
住宅の施工例はこちら

第12回コンテスト最優秀賞

「私の家」

ご夫婦の希望はシンプルな家でした。三沢の米軍基地近郊の何気ないアメリカンハウスのような、シンプルで機能的で飽きのこない。共にサーファーというのも理由のひとつだと納得していました。いくつかのホーム会社をめぐり、最終的に選んで頂いた理由が家という点では一緒だが他とは全然違う感じ、ということだそうです。

我々の家作りでのどうしても譲れないところ、大工の腕が試される手刻みによる構造美。天然素材の漆喰での左官塗り壁。床はもちろん、床下地の板、収納棚すべて無垢材。合板、集成材不使用で通す。土台や腐りやすい箇所の木材は栗材を使用。木材は三八近隣の山のものを林業屋さんから直接丸太で買う。

今回のN様邸では門塀にポスト、表札、ドアフォンを取り付け、また玄関までのアプローチに跳び丸太を埋めました。栗でできたウッドデッキから玄関ドアを開けると、ご夫婦の希望のサーフボードとドライフルーツが収納されているクローゼットが見えます。

いい波の日はそこから普通に海に行っているようです。

pdfはこちら
住宅の施工例はこちら

第11回コンテスト新築賞

柴山の家

風薫る五月は裾野まで真っ白な雪に覆われ、曇天の梅雨は灰色の空に青い山肌が大きく見える八甲田連峰が、西の大きな窓から手前の蒼い牧場と一緒に見えます。

自然を丸ごと切り取った窓からリビングに目を移すと、欅の大黒柱と立ち木の頃のままの姿の赤松梁が縦横に重なって、大黒柱から生えているように差してあり、大工の力量を感じることが出来ます。

一見古民家と錯覚する柿渋と墨汁を塗った構造材と漆喰の白が、落ち着きと静けさを感じさせます。柱の杉、太鼓梁は赤松、床にはこれから光沢の期待できる赤松、杉の垂木と勾配の天井板、栗の土台、そして家の中心である欅の大黒柱、この家は新築なのかと疑うほどの圧倒的な木材の量です。

現在、さまざまな工法や設備で目を引く住宅産業ですが、この家には人の五感を刺激し、感情を揺さぶるものがあります。ある人は「懐かしい…」と、ある人は「おしゃれだね…」と、またある人は「落ち着くね…」と表現します。

人と木の良い関係は昔から続いてきているのだ、と思い起こさせる家に仕上がりました。

住宅の施工例はこちら

第9回コンテスト優秀賞

森に住む

お施主様との出会いは2年前、私の自宅兼展示場に来られたのが最初でした。当時2歳のお子様のために自然素材での家を希望されていて、ログハウスの中でも「ポスト&ビーム(丸太軸組)工法」をお考えでした。構造材全てが丸太なので手間がかかり、予算に合わないということで我々の得意な伝統工法での構造材表しにすることになりました。

ログハウスのテイストを残した外観は杉の下見板貼り、屋根は8寸勾配の急勾配から下屋は5寸勾配へと折れ屋根にしました。下屋は栗材使用のウッドデッキです。

ログハウスを意識して、通し大黒柱とリビング入口の柱を35cmの丸太にし、また階段の段板を半割丸太にしました。

お施主様が一番こだわっていた自然素材に関しては天井、内壁、床の仕上げ材はもちろん、床下地材、棚板なども合板、集成材はできる限り排除しました。さらに外断熱で杉皮原料のフォレストボード、内断熱で木の繊維の断熱材ウッドファイバーをのW断熱を施しました。その他、防蟻剤はホウ酸系、接着剤もニカワ原料の物やでんぷん接着剤を使用しました。

予算内での素材探しは日課になり、自身のスキルアップに繋がったと思います。

お施主様の希望を形にするためのチャレンジを今回も達成でき、安堵とお客様への感謝の気持ちでいっぱいです。

住宅の施工例はこちら

第8回コンテスト優秀賞

「娘から母へ」

この家はタイトル通りだと思います。 ご施主様はお母様ですが、実際打ち合わせは全て娘さんとでした。
第一の希望は、車いすの母親と一緒に暮らせる家。新築前の家は段差が多く、暑さ寒さが厳しいものでしたので、とても家に連れてこれないという事でした。
第二の希望は自然素材中心の家。特に木材を肌で感じたいという事です。希望を叶えるため、車椅子で家に入れるよう栗材のスロープを設け南側掃出しから出入りできます。また一坪のトイレを寝室隣に作り、すぐ行けるよう配慮。解体した以前の家を感じられるよう、床柱と欄間を再利用しました。仕上げ材はもちろん、下地まで無垢材を極力使用し、壁材はヨーロッパ漆喰での左官仕上げです。
1年前まで全くの他人でしたが、一棟の家を造るという目的の為、色々なアイデアを出し合い、悩み、幾つもの壁を乗り越えてきました。
無名の一大工に家一棟を任せることが、どれだけ不安だったか。
その勇気と決心に応えることが出来たと思っています。
住宅の施工例はこちら

第7回コンテスト優秀賞

帰りたくなる樹の家

こちらの住宅は、お客様と設計段階はもちろん、施工中、建具金具に至るまで話し合いを重ね、一緒に作り上げた家です。
外観の色調はモノトーンで、馬淵川向きに大屋根の落ち着いた雰囲気にしました。
1階外壁は板貼りです。立桟を打たないので板貼りでもモダンに感じます。八戸市内での板貼りは法律上難しいのですが、下地に燃えない建材を使いクリアしました。2階外壁はモルタル下地ジョリパット仕上げです。目地がないのですっきりとした印象です。
玄関にはウッドデッキに上ってから入ります。玄関から土間スペースヘ、薪ストーブを見ながら吹抜けのリビングでは、欅の大黒柱と杉の通大柱が大迫力で迎えてくれます。
実は、台所のさらに西側には、洗面所からつながる物干しスペースがあり、仕事を持つ奥様には無くてはならない場所です。洗面台、トイレ手洗いカウンター、靴箱も杉材、ヒバ材での手作りです。他にTV台、テーブルも作りました。
仕上げ材は全て自然素材を使用しました。内壁は県内初使用のヨーロッパ漆喰左官仕上げ。合板類は極力使用せず、桧の床板の下地にさえ無垢の杉板を貼りました。
住宅はお施主様の理解の上に建てられるものです。大工の手刻みの技術を後世に残すという思いを理解し、たくさんのアイデアを出してくださったお客様に感謝しています。
住宅の施工例はこちら
お問い合わせ、見学希望、お気軽にどうぞ 0178-87-3547 お問い合わせフォームへ